九州大学 工学府水素エネルギーシステム専攻 先進水素システム研究室

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研究内容Research

先進水素システム研究室では、主に自動車用燃料電池の研究を行っています。その中でも、燃料電池の性能を左右する電極触媒部分に着目しています。電極触媒は、図に示すように球状のカーボン上に白金の微粒子が担持された材料からできています。具体的には、燃料電池自動車の本格的な普及を目指し、次のようなアプローチで研究を進めています。

電子顕微鏡その場観察による電極触媒の劣化メカ二ズムを解明に取り組んでいます

日立ハイテクノロジーズ様のご協力により、電界放出形透過電子顕微鏡 HF-3300を用いて、リアルタイムで電極触媒の劣化過程をとらえました。この動画は、左が表面像、右が透過像になり、50倍で再生されています。動画から、カーボン表面の白金微粒子がカーボン内部に埋没していく様子が分かります。触媒の劣化のメカニズムの1つとして白金の埋没を見出しています。

ナノチャンネル構造を有するカーボンを用いた電極触媒の探索をしています

このカーボンは、ナノメートルサイズの細孔を持つ多孔体カーボンになります。その細孔構造を上手く利用して、細孔内に白金微粒子を導入し、白金微粒子同士の凝集を抑制することで、電極触媒の高性能・高耐久性化を実現します。

表面グラファイト化カーボンを用いた電極触媒の探索をしています

カーボンの表面のみをグラファイト化(黒鉛化)することで、触媒劣化のメカニズムのひとつであるカーボン酸化に対する耐久性を向上することに取組んでいます。

燃料電池の高温作動化に向けた課題抽出と材料設計を行っています

燃料電池の高効率化に向けたひとつのアプローチとして高温化(100℃から120℃程度)があげられます。一方で、高温化は触媒劣化の促進にもつながります。そこで、実際に燃料電池を高温作動させて、課題の抽出を行っています。例えば、集束イオンビームを用いて、燃料電池の断面を切り出し解析し、電極部分の三次元画像の構築などを行います。

その他、燃料電池関係研究として、九州大学秋葉教授と共同で、水素貯蔵材料の研究にも取り組んでいます。また、九州大学伊藤教授と連携しながら、水電解セル用の触媒の研究にも取り組みます。


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